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 漫画の100冊「ワクワク」の2 

おれは鉄兵
(ちばてつや)

 ちば氏の作品の登場人物は野生児が多い。中でも鉄兵は極めつけ。学校に通うこともなく、山奥の廃鉱で父親に育てられ、幼い頃から鉱山仕事をしてきたおかげで人並はずれた筋力を身につけた。2巻あたりから熱血剣道漫画になり、ラスト近くはお宝探しの激しき鉱山漫画になる。その、先の読めない元気さが快感。
童夢
(大友克洋)

 もともと青年誌界のカリスマ的存在だった大友氏だが、ドメジャーな存在となったのはこの作品から。緻密な描写力に磨きがかかり、叩き付けられた衝撃で壁が円形にへこむとか、建物が崩壊するとかいったシーンはその後ずいぶんマネられた。ストーリー構成もさすがで、隙はない。漫画が映画を超えた瞬間だった。
バオー来訪者
(荒木飛呂彦)

 パースのきいた独得の構図と不気味なまでの細密描写が人気の、荒木氏の出世作。寄生虫バオーに取りつかれ超人化した少年の、苦悩と戦いの日々を描く。ナレーションや心の声を前面に強く打ち出していく表現法や、バオーシューティングビースス・スティンガー・フェノメノンなんていう必殺技の名前が斬新だった。
アップルシード
(士郎正宗)

 神戸から出た世界的コミックアーチストの出世作。クローンやサイボーグが闊歩する未来都市での美しき女性戦士の日常を描く。独自の世界構築、メカ設計、テーマ、どこを取ってもマニアックで作品の評価は分かれるが、それ以後の漫画を変えたエポックメイキングな作品であることは間違いない。なんせ絵がすごい。
天まであがれ!
(木原としえ)

 新選組を扱った作品は数々あれど、これほど沖田総司をかわいく魅力的に描いたものは他にない。土方への憧れの一途さ、人を斬ることへの苦悩。普段の優しさ、恋、喜びと悲しみ。読めばあなたも沖田くんファンになることウケアイの青春ドラマ。絵は男性にはつらいけど、がんばって読んで損にはならない一作だよ。
漂流教室
(楳図かずお)

 世紀末漫画の代表的傑作。時流のひずみに巻き込まれたひとつの小学校。行き着いた先は砂漠の荒野。生きるためのサバイバル生活は、子供たちに何をもたらすのか? 発表当時から熱狂的な評価を受けながら、あまりに残酷な描写ゆえか、一時は絶版となり幻の名作だった。人間社会(集団)の意味を考えさせられるよ。



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