「戦争はいけないと誰もがわかっているはずなのに誰も止めることができない。ブルースマンやフォークシンガーやロックスターがずっと昔から反戦を歌ってきた。でも戦争が無くなったためしはない」
「もしもCDが売れて大スターになったなら、恋の歌だけじゃなくて『戦争はいけない事だ。戦争はやめよう』と歌ってみてもいいと思う。それで人気が無くなるわけじゃないだろう。なかなかヒット曲にはならないだろうし、CMタイアップもとれないかも知れないが、大スターになれたんだから少々の影響力はあるのさ」
「人々はスタジアムで汗を流して歌ってりゃロックだと思うようになってしまった。君のせいだよ。君が歌わないからさ」
「君は詐欺師だ。わかりやすい歌を作って人々をだましてるだけだ」
上は、著名人の本音コラムでおなじみの「TVブロス」に載った記事からの引用。忌野清志郎氏のコラムだ。1年ほど前の記事だが、ここ何年か目にした記事の中で一番印象に残っているのと、一回目の話題には一番しっくりくるかと思われるので、ぜひ紹介したかった。
偉くなったやつには責任が発生する。偉くなったんだから、思ってることを正直に言え。人に影響を与えられる立場になったことを最大限に利用しろ。人に影響を与えられる立場になったことの責任をもっと考えろ。
これは何も歌の世界に限ったことではないだろう。
このコラムには、残念ながら俺はもうそこまでの影響力はないから、といった今売れてる人を素直にうらやましがる姿も見えて、そこがまた清志郎さんらしいな、と思った。
たしかに、こんなとこでこんなこと書いたところで影響力なんてほとんどないわけで、偉くなった人にはやっぱりそういう責任があるはずだよ。無理にいいこと言う必要ないけどね。 |
「TV Bros.」
毎週水曜日発売/180円/東京ニュース通信社
|